医療者向けセミナー
2018年4月6日
パートのおばちゃんが怖い、という介護職員
なぜかパートのおばちゃんが施設長より偉くなる、という仕組みのお話です。

介護施設の中で見てきたことなのですが

・入浴の時間中にお風呂場の前を通るとパートのおばちゃんに怒られる
・パートのおばちゃんが帰る前に洗濯物を出さないと怒られる
・とにかく業務で決まったことには従わない

という怖いおばちゃんパートがいたり、逆に、介護職員さんのために、いろんな雑用を進んでやってくれたり、なくてはならない存在のパートさんもいたりますが、今回は怖いパートのおばちゃんが、なぜそうなるか、という話です。

これは、雇うまでの流れに問題があると思っています。

正社員の場合は、ハローワーク→履歴書作成→面接→採用通知→辞令交付とかの事務手続き→新人育成期間という流れで組織に下から馴染んでいきます。
ところがパートのおばちゃんの場合は、介護業務が忙しい→施設長が『雑用でいいから』と近所のおばちゃんを連れてくる→なんの育成も儀式もなく現場に自己流で雑用を行う→自分のペースとルールができる。私は施設長に雇われたから、というアイデンティティができるのです。

入浴介助をパートさんがやる、という施設を見たことがありますが、パートさんは会議にも、研修にも出なくていい、ということになっていて、ボディメカニクスも知らない、身体の観察も報告もない状況でした。
要するに介護は誰でもできる、という認識の施設なんでしょうね。

社員とパートの問題が上がると、介護職員はリーダー→主任、施設長の順に情報が回るのですが、パートのおばちゃんは、直接施設長に掛け合います。
施設長はパートのおばちゃんには嫁が世話になっているのか、なんだかわかんないけど、気を使っているので、組織のルールとは違うところにいるのです。

だから誰も手が付けられない状態になって、いつの間にか、介護の業務がパートのおばちゃん中心に回るということになるのです。

もう一つは、人員が不足しているところでは、日中はパートさん、夜勤を正社員が行うケースでは、いちばん情報を把握しているのはパートさん、というケースもあり、正社員が利用者さんの情報をパートさんに聞く、という逆転現象もあります。
どっちが偉い、というわけではないけど、どちらのケースの共通した問題は、何も決められなくなる、ということです。

『介護』という仕事が誰にでもできない素晴らしい仕事なのだ、というならば、パート社員を雇う時も、いい人を選びましょうね、という話です。
うっしっし

知野吉和

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