医療者向けセミナー
2019年11月23日
根拠の前に定義を学べ!
根拠を学ぶには、まず言葉の意味がわからないとダメですよ、という話です。

医療福祉業界、根拠が大事と言いますが、根拠とは、「そのことが存在する理由となるもの、存在の理由、よりどころ」という意味です。
そして、その理由を理解しようとした時に、必ず難しい言葉が出てきます。
難しい言葉を理解できなかったら、根拠の理解にはいたらない、ということです。

根拠の学びが理解できないのは、『難しい言葉がわからないから』なのです。

難しい言葉とは、だいたい、『漢字が2つ以上ある言葉』か『略語』です。
例えば、『介護』とか『介助』とか『炎症』とか『感染』とか。
わかっているようでわからない用語ってたくさんあるんです。

特に、申し送りで使っている用語は、根拠を学ぶ上でいちばん知っておくべき言葉です。
ちなみに、申しく送りで使用している言葉で、日常生活ではあまり使わない用語は350用語ほどあります。調べてみて~♪
単語の意味を調べるということは、『定義』を知ることになります。
定義とは『言葉の持つ意味や範囲』という意味です。
定義=言葉の意味、範囲を理解しておかないと、根拠=理由は理解できないのです。

申し送りで使っている用語を20語ピックアップして、介護職員を対象に調査したことがあります。
「離床」「挙上」「発赤」などなど、どの施設でも申し送りで使いそうな用語をやさしい20語です。

残念ながら、介護職員さんの理解度はほぼゼロでした。
定義を知らない介護職員さんがほとんどなのです。

まれに100点を取る職員さんがいましたが、たまたまそのテストの場に居合わせた、看護師、社会福祉士、理学療法士さんなど、医療職でした。
100点を取れる医療職と知識ゼロに近い介護職では、他職種連携できなくて当たり前です。
もっと介護職員が勉強をする必要があります。

いろんな施設で『医療職に馬鹿にされないようにもっと介護職員は学んだ方がイイ』と言うと、一部のスタッフから面白い返事をもらいます。

・私たちは介護なんだから医療は知らなくてもいいじゃないか
・そこはナースに任せとけばいいじゃないか
・専門用語は使うなと管理者から言われてます
・いろんな人がいていいじゃないですか
・みんな違ってみんないいじゃないですか
・みんながそんなに勉強して頭でっかちになったら大変
・暗記苦手なんです、勉強嫌いなんです、文字を読むと眠くなる

もうバカの言い訳にしか聞こえません。
だから介護職員はバカにされるのです。
あいつらとしゃべっても話が通じないから私のスキルをここで発揮したくない、といいたくなる他職種の気持ちもわかります。

定義を学ぶこと、特に普段業務で使っている用語を理解することから始めたらどうでしょうか?

用語の意味がわからない人に、根拠あるケアはできません。
介護業界はこの現実をまだ知らない。

うっしっし

知野吉和

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