医療者向けセミナー
2019年12月20日
頑張る人にやさしくない介護施設
がんばっても報われない介護施設が多いよね、というむなしい話です。

昔は介護の学校も、介護施設も、人を選べた時代がありました。
今は、介護福祉士養成校で学生を選べる学校なんてあるんでしょうか。
介護施設は、求人してもなかなか良い人材は集まりません。
学校も施設も、経営は大切です。理想論だけでは経営は成り立ちません。
だから、ちょっと怪しい人物でも受け入れているのが、施設や学校の現実です。

本当は25年前に理想を追求しておけば、今のような状態にはならなかったのかもしれません。
その証拠に、人が選べた時代から理想を貫いている法人さんは、今も健全です。

人員不足となった施設は、とにかく面接に来た人から先着順に現場に送り出します。
当然、介護をやりたいという動機の人ばかりではありません。
介護で期待される『チームワーク』とか『利用者への愛』にあまり関心のない人にとっては、介護業務は、暇な仕事なのです。
指示待ちされても、指示しようのないことだらけですからね
それだけ介護は深い仕事ともいえるが、人の思いやりに任せた学問になりきれていない仕事でもあるのです。

とにかく、一言で言い表せない、仕事のような仕事でないようなことを、みんなで頑張ろうというわけですから、スタート地点からすでに違っているのです。

組織としての教育がしっかりしていればいいのですが、昔の選べた時代を過ごした施設は、教育体制もそれほどありません。
人がいない、介護を知らない、育て方がわからない、という状態が今の介護業界です。(一部ね)

スローガンがない職場では、職員は自由です。悪い意味で。
やる気のある人はがんばり、そうでない人は、なんとなく仕事をします。
でも人がいないから、同じようにシフトがあり、同じように役割が与えられます。

モチベーションがどんなでも、スキルが同じならいいのですが、現実は、やる気のある人や責任感がある人が仕事をして、そうでない人は、本人が気づかないうちに仕事に差をつけられてしまうのです。

言いたいことはここから。
・あの人と同じ給料なのがやってらんない
・なんで私ばっかりに仕事がまわるの!?
・なんで誰もあいつに何も言わないの?
・イライラする私が間違ってるのだろうか?

という不満や愚痴が出るわけです。

それに対して、無責任な管理者は
「ここは介護施設なんだから、福祉の心で優しくしてあげてください」
と結局のところ、できる職員に仕事が押し付けられていくわけです。

仕事をしたくない人、できない人にとっては都合の良い職場となり、頑張る職員にとっては、とっても辛い職場となるわけです。

これは現場の問題ではなく、経営の問題です。
利用者のためと言いながら、やる気ある職員の希望をなくしていく。
このままでいいんでしょうかね。

うっしっし

知野吉和

ページトップに戻る


2023年コラム こちら➡

2022年コラム こちら➡

2021年コラム こちら➡

2020年コラム こちら➡

2018年コラム こちら➡




医療・介護・保育の転職なら 株式会社MHP
〒541-0053 大阪府大阪市中央区本町2-2-5
TEL:06-6282-7021 FAX:06-6282-7081

Copyright 2009 株式会社MHP All rights reserved.